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純愛リリース後、メールが届いた。
「俺の耳と心、そして涙腺を刺激してくれました」
そのメールは、佐賀で音楽活動するオセンチさんからだった。
ここでは、その可笑しさと愛に満ちたレビューをご紹介。
その名も【純愛オセンチレビュー】👓

この作品を聴いて感じたキーワードは「祝祭感」。
人間の生きる上で避けられぬあらゆる場面での、何気ない日常を生きる人達への、生物の輪廻という宗教観、そしてこの世界でたった一人の愛する人への。
「祝祭」。
それをポップに、アンビエントに昇華したこの音楽は、俺の耳と心、そして涙腺を刺激してくれました。
1.「ご挨拶」
高田渡を彷彿するようなタイトルの軽快でアコースティックなナンバー。
しかし、この「ご挨拶」の中に本アルバムのテーマが既に込められており、後の伏線に繋がるような大切な楽曲。
2.「One love my love」
本アルバムのタイトルトラックと呼ぶに相応しい名曲。
音楽はカーステレオで聴く派閥のオセンチは、本アルバム初視聴時も絶賛運転中。
信号待ちの車内に流れる愛に溢れた歌詞、終盤に展開される重厚なストリングスの音色に、オセンチは目的地のトライアルまで涙を堪えながら運転するのに必死だった。
「きみがくれたんだ」という歌詞の様に、愛は日常に溢れている。
目に見えないだけ。
気付くか気付かないかによって人生の幸福度も違うだろう。
「One love my love」これ以上ないタイトル。
3.「堂々巡りの夜」
2nd Demoアルバム収録曲の再録。
切なく響くハープの音色が美しいアレンジ。
2曲目とは対と言える世界観だが、「見えてるのは随分側ばかり」 「純粋無垢だったなら剣も盾もいらないだろう」等の言葉は今の社会へ投げ掛けられている。
日常を生きる中、聞きたくなくても耳に入る現実社会、マスメディアの風聞に向けたメッセージは正に「純愛」の表裏一体と言える。
4.「ベッドに入ろう」
曲名を知った際、いやらしい事を想像してしまった事は墓場まで持参の秘密だ。
横切った猫にも打ち明けられない。
老楽男女問わず、様々な人達の、まるで修学旅行時の夜の様な、「ベッド上」の姿が音楽を通して描かれる。
ドローン的な響きが眠気を誘う、本アルバムをレコードで例えるならA面の最後を飾る様な楽曲。
自分自身も思わず10代後半、友達と過ごした夜を思い出した。
しかし、その際、皆でいやらしい映像を観賞していた事は墓場まで持参の秘密だ。
5.「門出のうた」
新たな旅路を迎える大切な人へ贈る讃美歌の様な名曲。
「花束は枯れてしまうから」変わりに用意された物は、きっと色褪せてしまうドライフラワーでもない。
どんなに離れようとも、どんなに月日が経とうとも、「歌と言葉」は残ってる。
それがあるだけで生きていける。
たとえ2ヵ月に1度の年金支給日を待つ身になったとしても、本アルバムを再生すれば20代のOTA GENNOSUKEの笑顔と言葉が思い浮かぶだろう。
6.「来世」
PP&Mの様なカントリー調で思わず口ずさみたくなるポップな楽曲。
「生き物の命とは」なんて重苦しいテーマは真夏の盂蘭盆、スクーターに股がるお坊さんがお経のついでに話してそうだが、本曲では「来世は魚に生まれたい」と、小学生が将来の夢を語るように展開される。
過去作の「ししゃのうた」に通じる人生を何周か経験しなければ分からない達観した視点はOTA GENNOSUKEワールドの真骨頂と言える。
7.「灯」
アルバムラストを飾る荘厳なナンバー。
「あなたがたどり着く様に、灯りをつけておくからさ」これ程人の温もり、思いやりを表す日常の一瞬は無いだろう。
どんなに疲れはてて家路をたどろうと、愛する人の灯が見えた瞬間は救われるものである。
「灯」は思いやりに加え、言葉でもある。
終わりの見えない日常の中で繰り広げられる様々な選択肢。
自分の道を辿るために必要なものは、あの日の大切な人がくれた言葉がヒントになる。
全ての人の、明日への道はこのアルバムによって照らされ続けるだろう。
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佐賀の奇才・オセンチ

”純愛”
1.ご挨拶
2.One love my love
3.堂々巡りの夜
4.ベッドに入ろう
5.門出のうた
6.来世
7.灯
↓各種配信ストアから聴けます
純愛 – OTA GENNOSUKE - Pennyroyal Recordings